トビハゼの謎、トビハゼの素朴な疑問集

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2355toby トビハゼ「トビー」のほぼ毎日更新


魚なのになぜトビハゼは陸上にいるのか? トビハゼの素朴な疑問集。

トビハゼのジャンプ速度を、トビウオ(ライバル)の飛行速度と水中突進速度の関係から導き出す。

重力による終端速度の式は、以下の通り。 式は、重力と速度に比例した反作用が釣り合う点である、 mg - kVt = 0を変形したものだと思う。(たぶん)

終端速度の式

仮で水と空気のCdは同一とできる。(適当) Aはトビウオ・トビハゼの飛行姿勢に依存する値なので、水・空で同一と考えられる。(ここはざっくりあってるはず) トビウオの終端速度は、mgの代わりに推力Fで置き換えられる。 水中でも空気中でも尾鰭から得た推力は同じと考えれば、Fも水・空で同一。 たとえば、トビウオは速度が落ちると、胸鰭で揚力を得ながら尾鰭だけ水につけて加速することが可能だそうだ。 トビハゼの場合も、水上でジャンプする場合は、一瞬水に沈み、その間に尾鰭で水中を泳ぐ様に加速してジャンプするので、 似た様な式と考えても良いはずだ。

上記前提を考えると、 空気中最大速度 = ( √水の密度 / √空気の密度 ) X 水中最大速度  となる。

空気の密度は約1.29kg / m3 。 それに対して水は1000リットルなので、 1000kg / m3。 つまり、空気中速度は、水中最大速度のざっくり√1000倍 つまり、30倍ほどになるはずだ。

この30倍が正しいかどうか、飛行速度がわかっているトビウオで検証

トビウオ体長約30cm。 水中突進速度は平均的な10BL/s(300cm/s)とすると、飛行速度は 300cm/s x 30 の 90 m/s、つまり 時速 324 km/h と推定される。 (水中突進速度は、3m/s = 10.8km/s) Wikiを見ても飛行速度30km/hとある。 300km/hは早すぎるな、ジャンボジェットでも130kmで離陸するし、300kmで高波にぶつかったら、どんだけ顔流線型でもトビウオ死ぬよね。 海に行ってトビウオに当たったらトビウオが顔面に刺さる事故が起きる。

検証をもとにCdを修正し、約3倍と仮定する。

ということは、「仮で水と空気のCdは同一とできる。(適当)」を修正して、 空気中ではCdを0.01にしてみっか。要は、水中突進速度の3倍にする。

この3倍値が、他の魚種で計算する。ダツ(needle fish)

飛魚が刺さる話は聞いたことはないけど、 ちょっと関係ないけど、ダツとか本当に刺さったりするらしいです。 Wikipediaの事故の記録を見ると、2年毎に世界で一人くらいは死んでいる模様。 サイパンの海にもダツがめっちゃいて怖かったですね。ちょっと間合いを持って水面近くに浮かんでるだけなんですけど、なんせでかいしたくさんいる。

Wiki Needle fish : danger to human

ダツは最大BL95cmくらいで、空中で60kmだそうです。 この3倍値を当てはめると、10BL/s計算で、突進速度はざっくり10m/s=36km/h 空中3倍仮説で100km/h まあ悪くないかもしれないですよね。

じゃあトビハゼ速度

5cmのトビハゼであれば、突進速度 10BL/s 計算で、0.5m/s = 1.8km/h。 空中であれば 3倍仮説で、1.5ms = 5.4km/h。 まあ悪くなさそうです。 干潟歩いてて、絶対追いつけない速度、って感じますもの。

実際の見た目と合致するか計算する。

陸地のジャンプ

急いでいる時、陸地の 見た目のジャンプ距離は、大体2BLで、高さは3cmくらいですもんね。

1/2at^2 = 3cm

4.9 x t x t = 3 cm t x t = 0.6 cm

ジャンプ中の時間と、タメ時間は同じくらい

60% は 1/30、40% は元のままとすると、 0.6/30 + 0.4 = 0.4002

じゃあ、トビハゼの速度はどうなるの?

どっちかというと、泳ぎが得意でないトビハゼ(頭がでかくて、鰭がそんなにでかくない(胸鰭だけ大きい))ですが、 よくいる体長5cm、突進速度10BL/sを仮定すると、 突進速度 50cm/s 1.8km/hです。 3-4cmの稚魚だと、干潟を歩く人間よりも遅いな、という感じがあるので、まあ妥当な値。

x 3 5.4km/s 30BL/sはとてもじゃないけど、捕まえられない。 0.2 3BLくらい飛ぶので、

終端速度 トビハゼ 時速60kmくらいになると、十分風がすごい。水の中だとこの1000倍の圧があるわけだから、そりゃ時速1/30となるわ。 スイミングスクール行ってた人間で4km/sくらいでてるのすごいよね。 1.1m/s、0.8 BL/sとかやけど、魚が巡航 2-3 BL/sなのにくらべたら 十分いけてるやろ。

補足情報

この検算のためのトビウオのパラメータは下記からとりました。

とびうおWikipedia

突進速度10BL/sの推定は、いつもの北海道開発局の魚道設計資料から撮っています。

北海道開発局 魚道設計資料

また、下記魚類の遊泳運動から、尾鰭を水中に残したまま加速する際の、摩擦抵抗類数%程度以下と見積もれると推定し、無視することにしました。 なぜなら、誘導抵抗が30%(揚力の反対向きに働く力)がありますが、水面付近で尾鰭の運動であれば、 誘導抵抗が発生する側は水ではなく空気が入り込んでいるはずなので、1 / √σ、つまり1/30程度の誘導抵抗になると考えられたためです。

魚類の遊泳運動

66cm/sのカツオ(巡航速度)で、抗力の割合は、  -魚体と各鰭の摩擦抵抗 37%/圧力抵抗 16% の合計53% -誘導抵抗 30% -鰓抵抗 17%

ちなみに突進速度までの時間は、推定だが0.2秒程度。 トビウオが最高速に達するのに必要な距離は、0.5 X (300/0.2) X 0.2 X0.2 = 30cm程度。


@2355toby