トビハゼの謎、トビハゼの素朴な疑問集

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2355toby トビハゼ「トビー」のほぼ毎日更新


魚なのになぜトビハゼは陸上にいるのか? トビハゼの素朴な疑問集。

トビハゼは魚なのに、なんで陸上をうろうろしてるのか。

トビハゼが魚なのに陸上をうろうろする主な理由は、2つあります。

トビハゼは、皮膚のすぐ下に走っている毛細血管たちのおかげで、皮膚呼吸能力に優れています。 環境省の文献†によれば、 「空気呼吸もおこない、皮膚が主要な呼吸器官となる。皮膚呼吸の割合は水中で47%、空気中で73%である。」という記載があります。 この皮膚呼吸脳は、東京湾といった低酸素貧海で勝ち抜く大きな要因になったはずです。 (溶存酸素が少ない海でも生きていけるからです。とはいってもトビハゼが浮遊生活をするのは、生後45−50日までと言われています)

泥干潟は水中の天敵である小型の魚類を避けるためにも泥干潟は最高の場所です。魚は普通、陸地には上がってこれませんからね。 普通陸地には、イタチなどの小型獣やトカゲ、大きい昆虫などの強力なライバルがいますが、 しかし体が簡単に沈んでしまう泥干潟には、重い動物はやってこれません。動けなくなってしまいますからね。 また、昆虫は塩性の湿地や塩のあるところにはほぼ住むことができなくなっています。 陸地では、小型の鳥類が主な天敵です。小型の鳥類もあまり集まると大型の鳥類猛禽類に狙われますから、大型の鳥類の見通しの効くような 泥干潟はとても都合がよいのです。

表I-2-6(4) 注目種の特性の整理例

†1 生物の多様性分野の環境影響評価技術(III) 生態系アセスメントの進め方について(平成13年9月)

トビハゼは魚なのに陸上を歩いているから、我々地上に生きる生き物の祖先なのか?進化して両生類になったのか?

そうなんです!といいたいところですが、実は全く祖先じゃないそうです。 ラッコや我ら哺乳類はシーラカンスなどの肉鰭類(ヒレの根本が背骨と肩のような太い骨とつながっている、ヒレの動きを支えている)、それに対しトビハゼなどは条鰭類(ヒレの根本に太い骨がなく、細い骨が何本もある)から進化したものです。

我らがトビハゼ様の祖先である条鰭類(じょうきるい)との分岐年代は約4億年前。 トビハゼは、そんな肩の骨なんかなくても陸地を歩けてしまうということを証明してしまったり、 思いっきりジャンプするときは、背骨のとおった尾鰭でジャンプしてしまえばいいという、 我々哺乳類の祖先とは全く違った発想で体を支えています。

トビハゼは本当に面白いですね。

肉鰭類 wiki

トビハゼは何を食べているのか?

先日、面白い記事がありました。内容を端的にまとめると「食肉目の死体を、食肉目や鳥類は、かなりケアして食べている(ウジなどから間接的に食べるし、ウジもすこし離れたところにいるようなウジを食べる)という良記事でした。

動物の死体に湧いたウジを全部数える。死体を巡る生き物たちの意外な営みについて日本大学の橋詰茜さんに聞いた

それに対して、トビハゼは積極的に屍肉食をします。ちょっと大きくても、水をつたって、死体の味が伝わってくると食べるようです。 これに対して、トビハゼ類は、死体があると積極的に食べます。ただ不思議なのは、全てを食べ切るというよりは、2、3日かけちょっとずつ食べます。酢漬けは食べませんでした

トビハゼはジャンプしたりして、水槽に頭をぶつけたりしているけど大丈夫なのか?

トビハゼの攻撃手法として、尻尾アタック・かぶりつきアタック・幅寄せ(地味)・遠くからじっと見つめる(攻撃なのか)という四種を持っています。 この中でも、かぶりつきアタックは、頭部下前方にくっついている口を使うのですが、思い切り頭に敵がぶつかります。 主にアラムシロなどの貝類に使うようですが、痛いのかどうかが気になります。 トビハゼの頭はゼラチン質になっておりタプタプで、一応防御システムにはなっていますが・・・

ちょうど哺乳類など「頭突きで攻撃をする動物」が頭突きで相当ダメージを受けているという記事がありました。

頭突き攻撃に関する記事「頭突きで対決する動物って脳とか大丈夫なの? 研究者「駄目みたいです」」

ちなみにベルーガの頭はタプタプらしいです。深海生物も圧力対策でタプタプになっていることが多いようです。 タプタプ系は大丈夫なんですかね。

ちなみにトビハゼは、目を瞑って(ゼラチン質の中に沈めて)ジャンプしたりするケースも散見されるので、一応目についての対策はしているようです。

細かいバージョン

トビハゼの陸地への適応 もっと細かいバージョン

・かなり皮膚呼吸ができる (エラ呼吸でないので水中にいる必要がない) †1 ・アンモニアを代謝できるので、 アンモニアをアミノ酸に代謝できる。 †1 ・ヒレが発達して、体を支えて歩ける。

論文としては、このトビハゼだけが持っているというのはどれくらい信憑性が

・水の中にいないから、大きい魚から捕食されない。 ・泥干潟は食べ物が豊富 ・泥干潟はトカゲなど大型の捕食者が入ってこれない ・泥干潟は、鳥などの捕食者も入ってきにくい。 食べ物が豊

泥を食べる能力を持っている

歩いてくる大型 ・カニとの間合いをどう詰めているか トビハゼが直前までこっちみてるのは、カニとの戦い方

ちなみに、魚なのになぜ地上にいるのか、というのはもっともな疑問なのですが、 田んぼに住んでいるドジョウなども、土の中に潜って、皮膚呼吸をしながら来年の田植えを待ったりできるらしいです。 腸内に空気をためて、おしりで呼吸したりできるらしいですよね。

そういえば、2024年のイグノーベル賞で https://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2024/09/13001 阪医の武部貴則教授が「豚の腸に酸素を含んだ液体を入れると、豚が窒息しにくくなる」 というのがありました。

毛細血管がたくさん表面通っているところであれば、どこでも呼吸(血液に配位したの二酸化炭素を酸素で置きかえる反応が進む)できることが示唆されています。

昆虫類や、その他の敵に対して一体どうやって防御している


@2355toby